2024年度事業計画

は じ め に

 一般財団法人日本地域開発センター(以下、当センター)は、財界の発意により産学協同による地域開発の調査研究機関として、1963(昭和38)年10月から活動開始し、1964年2月には財団法人として認可され本格化した。高度経済成長期において、日本の将来ビジョンを示す役割期待を大きく担い、調査研究活動とともに社会提言活動を展開してきた。経済不況以降は、時宜の課題に即応した調査研究に取り組むとともに、地域開発に関する情報発信を行い、2024年に60周年を迎えた。
今日、日本の国土や地域を巡る状況は大きな転換期を迎えている。中長期的課題としては、少子高齢化の急激な進展による人口減少、広域地域での対応やSDGsへの取り組み推進、気候変動への脱炭素の実現などの諸課題が存在する。
我が国経済のこれまでの状況をみると、長期にわたるデフレ経済によって、生産拠点の海外移転など、特に地方圏の地域経済は深刻な影響を受けてきた。消費税値上げによる景気低迷や公共投資の抑制により景気は回復できず、その結果GDPが世界4位、一人当たりGDPは21位となった。
さらに、気候変動による異常気象の多発やロシアのウクライナ侵攻による国際関係の変化がエネルギー価格をはじめとする物価の急激上昇等、経済対策が重要な課題となっている。また2024年1月の能登半島地震は、その被害もさることながら、早急な救助体制、復旧復興への対処、防災強化、レジリエンスの重要性が指摘されている。
加えて、新型コロナウイルス感染症もようやく収束の兆しをみせてきたが、その対応を総括した上で、今後の対策を強化していくことが求められている。
 当センターは、従来の経緯を踏まえ、国土の強靭化、地域の個性を活かした対流促進型国土の形成、グローバル経済化における地域創生と大都市圏整備、さらには人口減少・少子高齢化や地球環境問題・エネルギー問題、デジタル田園都市構想等に起因する国土全体に関わる諸課題を踏まえた国土・地域構造の構築に貢献していくこととしている。
2024年度においては、これまで当センターが歩んできた足跡を踏まえ、自らの社会的な立場・役割や将来の方向性を改めて見据えながら、日本における地域開発の先駆的研究機関としての使命を果たしていくよう、時宜にかなった調査研究や啓発活動などに積極的に取り組んでいく所存である。

■事業および調査・研究 当センターは、自主事業として、機関誌の発行、地域開発研究懇談会及び「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」表彰事業等を実施し、関係者をはじめ、広く社会に情報提供を行っていく。





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