2007年 9月号
通巻516号

特集 再挑戦――中心市街地活性化対策

 これまでの中心市街地活性化対策はカネをつぎ込んだがそれ相応の成果が出なかったと批判された。そのため関連三法が改正され再挑戦となった。都市計画法を改正して商業施設を含む大規模集客施設の郊外立地を厳しく規制し、中心市街地対策では「選択と集中」「多様な主体の参加によるまちづくり」の方針を鮮明に打ち出した。
 5月末時点で13市が活性化計画を国に提出し、認められた。金沢、熊本などの県都から久慈、豊後高田などの小都市まであり多彩で、それぞれが個性的なまちづくり計画を競っている。
 特集では、出直しの中心市街地対策をいかに評価するかに加え、それぞれの都市の活性化計画の内容を具体的に紹介し、計画達成のための課題や問題点などを報告してもらうことにした。

特集にあたって
矢作 弘 『地域開発』編集委員・大阪市立大学
中心市街地活性化の成功方程式
細野 助博 中央大学大学院公共政策研究科教授
中心市街地活性化への挑戦――連戦連敗を超えて
海道 清信 名城大学都市情報学部教授
中心市街地活性化――新政策展開の狙いと期待
間宮 淑次 経済産業省中心市街地活性化室長
<中心市街地活性化基本計画を読み解く>
久慈街なか再生への挑戦――「琥珀ドリーム・ザ・久慈」
佐々木 明 久慈商工会議所副会頭
青森市中心市街地活性化基本計画の概要
加藤 博 あきんど隊隊長
長野市中心市街地活性化の取組みと課題
服部 年明 (有)リテイルウォーク代表取締役、(株)まちづくり長野参与
富山市、コンパクトシティへの挑戦――公共交通主導のまちづくりで先鞭
市川 嘉一 日本経済新聞社産業地域研究所主任研究員
藩政期の城下町エリアを継承し続ける金沢市
遠藤 新 金沢工業大学講師
岐阜市中心市街地の未来は?――中心市街地活性化基本計画でリベンジなるか
能勢 温 大阪市立大学大学院創造都市研究科後期博士過程
地方都市自立のための再挑戦――広島県府中市
新屋 安正 (株)日本設計企画本部企画部部長
中心市街地活性化対策 再挑戦の成否は――山口の事例から
河野 康志 山口商工会議所副会頭
丸亀町商店街の先進的なプロジェクトを軸にコミュニティ主体のまちなか再生を目指す
山田 明広 四国新聞社編集局報道部
熊本市の中心市街地活性化基本計画を読む――旧計画から新計画への発展的展開と今後の課題
両角 光男 熊本大学大学院教授、工学部まちなか工房代表
豊後高田市「昭和の町」の再生の秘密――改正法の課題と、地方小都市の活性化の可能性を探る
野田 良輔 大分県東京事務所 銀座おおいた情報館 推進監兼流通・観光課長
地域コミュニティの再生を目指して「感動創造 Doまんなか」
村岡 浩司 Doまんなかモール委員会委員長
◎<調査報告>
港湾造船基地を目指す大連長興島開発
――川崎重工、韓国STX、大連造船が進出

関 満博 一橋大学大学院商学研究科教授
◎<地域振興の視点>
二極化する都市

大西 隆 『地域開発』編集長・東京大学
Library

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