2008年12月号
通巻531号

特集 「ご当地ラーメン」によるまちづくり

 これまでの産業再生や企業誘致によるまちづくりと違い、「食」を通じたまちづくりは多くの市民が参加でき、どこかほのぼのとゆとりある取り組みと感じる。その中で「ラーメン」は独特な位置にあるのではないか。日本人はラーメン好きが多く、各地域のお店は競って「ラーメン」を高めようとしている。こうした「B級グルメ」への人びとの「思い」の結集は、成熟社会における地域産業振興、まちづくりの「第三の道」といえるのではないだろうか。
 北海道から沖縄まで、ある程度の知名度のあるものから、これからというケースも取り上げた。各地域の取り組みに接することにより、私たちの「食」と「暮らし」をベースにするまちおこしへの「思い」が深まっていくことを願っている。

特集にあたって
関 満博 『地域開発』編集委員、一橋大学
市民の想いがブランドに高めた旭川ラーメン
酒本 宏 (株)グランドデザイン代表取締役
釜石ラーメン:鉄のまちの誇り――極細ちぢれ麺文化を支えた企業城下町
及川 孝信 (株)MT&カンパニー代表取締役
上州藤岡ラーメン:「食」の地域ブランド化を考える
山藤 竜太郎 (独)日本学術振興会特別研究員(PD)
「八王子ラーメン」によるまちおこし―首都圏域八王子市における取組み
立川 寛之 八王子市市民活動推進部協働推進課
伊那ローメン:地域の人びとに愛されて50年
関 満博 一橋大学大学院商学研究科教授
和歌山ラーメン:ご当地ラーメン先駆者のいま
尾野 寛明 一橋大学大学院商学研究科
笠岡ラーメン:記憶の味を復活させた「まちおこし」
松永 桂子 島根県立大学総合政策学部准教授
愛媛県:八幡浜ちゃんぽん
西村 裕子 一橋大学大学院商学研究科
“熊本から世界へ”伝統と革新、味千ラーメンの海外展開
古川 一郎 一橋大学大学院商学研究科教授
伝統料理による新しいマーケットの創出戦略――沖縄そばのブランド化を目指して
崔 a寧 沖縄大学法経学部法経学科専任講師
◎<調査報告>
グローバル・ツーリズムと東欧の古都――ポーランドの古都クラクフの新たな地区再生の動き(前編)
阿部 大輔 政策研究大学院大学政策研究科
◎<調査報告>
広州自動車産業集積と日系二次協力加工業
関 満博 一橋大学大学院商学研究科教授
Library
『地域開発』総目次

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