2013年8月号
通巻587号

特集 地域を変えるお葬式とお墓

 伝統的な家の制度が崩れるなかで、葬儀の簡素化と個性化が進み、樹木葬や散骨などお墓のあり方も多様化している。そもそも弔いの習慣は、地域の暮らしの現れといっていい。お葬式やお墓に現れた変化は、地域社会がどう変質してきたかを示している。
 他方、つながりの薄れた現代にあって、地域に積極的に働きかける葬儀業界の動きがある。人口減少の時代に入ったわが国で、数少ない成長産業であるエンディングビジネスが地域を変える可能性はあるのか、業界当事者の声を含め、多角的に論じる。

特集にあたって
岡部明子 『地域開発』編集委員、千葉大学
変わる葬墓――お葬式とお墓
藤井正雄 大正大学名誉教授、文学博士・浄土宗勧学
花に囲まれた永遠の眠り――墓地が地域のガーデンとなる時代へ
池邊このみ 千葉大学大学院園芸学研究科教授
都市が墓地を受容するとき
川添善行 東京大学生産技術研究所専任講師
ふるさとの冠婚葬祭わが手で!――顔見知りの安心感で利用者が増え商店街が活性化
中澤勇人 長野県長野市信州新町地区 NPO法人ふるさと事務局長
地域とともに「終活」
時枝とも子 「にぎわいサロン えん」代表
葬儀が地域コミュニティをつなぐ
丹野浩成 株式会社JA東京中央セレモニーセンター代表取締役社長
〈インタビュー〉二極化するお葬式
吉岡真一 綜合ユニコム株式会社『月刊フューネラルビジネス』編集長
(聞き手) 岡部 明子
日本の葬送ビジネスと死者の空間――ヨーロッパ人の目から見て
ナターシャ・アヴリン フランス・地理学者
素直さが集まると神聖になる
山名清隆 ソーシャルコンテンツプロデューサー、日本愛妻家協会事務局長
映画の中のお葬式にみる共同体
羽田野直子 脚本家
◎<調査報告>
65歳以上人口を中心とする北海道の今後の人口見通し
――社人研・日本の地域別将来推計人口(平成25(2013)年3月推計)より
鈴木 透・小池司朗・山内昌和・菅 桂太・貴志匡博 国立社会保障・人口問題研究所
◎<調査報告>都市縮小の先端を走るデトロイト最新事情(4)
甦るウッドワード・アヴェニュー
――真っ暗闇に一条の光
矢作 弘 龍谷大学政策学部教授
◎<研究報告>
親、コミュニティが支える放課後の子ども育成活動
――スコットランドの取り組みからみえてくるもの
平阪美穂 龍谷大学 地域公共人材・政策開発リサーチセンター博士研究員
◎<連載>まちづくりの風景(2)
地域と共に生きる
――岩村田本町商店街振興組合
前田幸輔 株式会社日本経済研究所地域振興部副主任研究員
※2013年8月号-お詫びと訂正>>>

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