2005年 4月号
通巻487号

特集 「定常型都市」を考える

 人口の減少、環境制約が都市構造を規定する時代です。
成長を前提として都市開発を想起してきたこれまでの都市論では、これらの成長制約条件をマイナスに評価し、それらの制約条件をいかに克服するかに叡智を注ぐ――という思考でしたが、ここでは発想を転換し、むしろ成長制約条件をこれまでの都市構造を転換する好機と捉え、成長を煽る「都市間競争」を卒業して次のステージ――「都市間連携」に移行すると同時に、既存の都市資源を再編しながら省資源型の都市を希求する都市システム、都市政策を考えなければならない時代を迎えました。
「定常型都市」を希求しその実現の道を思索する 
矢作 弘 大阪市立大学大学院創造都市研究科教授
逆都市化時代と中心市街地 
大西 隆 東京大学先端科学技術研究センター教授
創造的縮小都市政策――シュリンクするドイツの都市 
坂本 英之 金沢美術工芸大学大学院教授
「タルシンキ」の挑戦――成長を望む都市と安定を願う都市の連携 
岡部 明子 千葉大学工学部助教授
「ミクロの都市計画」の思想――「引き算する」空間設計 
阿部 大輔 東京大学大学院博士課程・バルセロナ高等建築学校博士課程
連帯と再生をめざすフランスの新しい都市計画 ――自治体主導の具体的展開 
河原田 千鶴子 建築家・千葉大学大学院博士後期課程
中国における都市化の課題――持続可能なパターンへむけて 
杉田 正明 (財)日本開発構想研究所主幹研究員
修復型の都市再生――米国ダウンタウンでの取組み 
遠藤 新 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻都市デザイン研究室助手
米国の都市圏内における開発の広域調整システム――税源共有による地域的不均衡の是正
中川 万喜子
藤田 泰男
大阪市立大学大学院博士後期課程
◎<地域振興の視点>
富山の挑戦

大西 隆 『地域開発』編集長・東京大学
◎<書評>西山志保著
『ボランティア活動の論理
――阪神・淡路大震災からサブシステンス社会へ
 
地域開発文献紹介

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