2006年10月号
通巻505号

特集 「食」による地域産業振興/まちづくり


 近年、地域おこし、産業振興の一つの象徴として「地域ブランド」という言葉がさかんに使われるようになってきた。地域資源として工芸品や街並みなどがあげられる中で、「食」に関するものが圧倒的に多いように思う。それは地域の特色を現し、人びとの関心を寄せやすいのかもしれない。
 地域の人びとが、自ら地域の資産を振り返り、そこに新たな価値を見出して、地域ブランドとして高めるにはどのような議論が重ねられ、実践されたのか。「食」をテーマに地域ブランドを作り上げた全国の興味深いケースを紹介し、その中からヒントをみつけたい。

<特集にあたって>「食」による地域ブランド戦略
関 満博 『地域開発』編集委員・一橋大学
帯広:北の屋台――不思議な空間
遠山 浩 専修大学社会科学研究所特別研究員、ジービーアイ(株)取締役
新幹線開通特需の“次の一手”――「地元客」と「観光客」の融和へ(青森県八戸市)
及川 孝信 (株)MT&カンパニー代表取締役
「農」と「食」の連鎖による地域ブランド化――栃木県茂木町の取組み
関 満博 一橋大学大学院商学研究科教授
「カレーの街よこすか」の紹介と成功要因を考える
牧瀬 稔 (財)地域開発研究所研究部
ソースかつ丼によるまちおこし――本場信州駒ヶ根のソースかつ丼
吉瀬 徳重 駒ヶ根商工会議所事務局長
富山湾深層水の多元的利用に向けて
長久 洋樹 高岡市産業振興部商業観光課主査
西宮:洋菓子店が集まる街並み
足利 亮太郎 甲陽学院高等学校教諭
地元素材を活かし産学官民連携で加工食品開発「つやま夢みのり」
沼 泰弘 つやま新産業開発推進機構
木の葉を“つまもの”として商品化――徳島県上勝町の彩(いろどり)事業の取組み
長崎 利幸 (有)アーバンクラフト代表
長崎:中華街とランタンフェスティバル
山藤 竜太郎 一橋大学大学院商学研究科ジュニアフェロー
アイリッシュウィスキーの再興を地域開発から期待する
土山 希美枝 龍谷大学法学部政治学科助教授
◎<連載>ジョグジャあれこれ[5]
一村一品運動で貧困削減
志摩 憲寿 東京大学大学院工学系研究科
◎<地域振興の視点>
路面電車の復活には発想の転換を
大西 隆 『地域開発』編集長・東京大学
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地域開発文献紹介

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