第425回 地域開発研究懇談会(2008年05月)

「これからのICTの動向と地域ビジネス」

 講 師 吉崎 正弘 氏
      経済産業省商務情報政策局審議官、IT戦略担当

 日 時 2008年5月23日(金)14時〜16時

 会 場 霞が関コモンゲート ナレッジスクエア・スタジオ

 ICT(情報通信技術)によって現代社会における経済、企業活動、行政、くらしが大きく変わってきている。その生かし方によっては、都市、地域においてさまざまなビジネス化の可能性がある。そこで、ICTの専門家より、ICTの最新動向を紹介し、地域でのビジネス化の可能性や展望を語る。

■内容
1. 20年前の構想がようやく現実になりつつある。
 通信技術の発展は、交通を代替えすると言われていたが、現実にはそうならなかった。それは通信による情報交換にリアリティが足りなかったからだ。しかし、最近は、大型液晶画面や大容量通信設備の低廉化により、情(ウェットなインフォメーション)報(ドライなインフォメーション)の両方が双方向に送受信できるようになった。

2. u-Japanと通信放送融合
 今、日本はe-Japanからu-Japanへ進んでいる。Uは「ユビキタス(いつでもどこでも)」「ユニバーサル(誰でも)」「ユーザー(消費者の視点)」「ユニーク(個性、少量多種)」を示す。また、通信と放送の境界はどんどんなくなり、特に消費者側から見た場合には区別する必要もなくなる。

3. IT投資は道具を活用してこそ効果がある。
 日本はアメリカ等に比較してIT投資が生産性向上に結びついていない。投資してでも使いこなせていないからだ。それは各企業の部門間や企業間における情報互換性の不備に起因し、この状態は企業幹部の無理解やIT投資への戦略不足が原因であるケースが目立つ。

4. ICTが威力を発揮するのは地方と小規模・ニッチ産業
 ICTにより日本全国・世界各地から欲しいものを入手することが可能になる。また、良い品物であれば日本全国・世界各地に販売することが可能となる。これは、ICTが、これまで不利とされてきた「大商圏からの遠さ」、あるいは「小規模による流通経路の弱さ」を克服できるチャンスとなるためだ。

■音声ファイルについて
今回より、会員の方には音声ファイルを無償提供いたします。ウィンドウズメディア49.3MB
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