第438回 地域開発研究懇談会(2009年6月)

「歴史まちづくり法と景観まちづくりの動向」

講 師 西村 幸夫 氏
     (財)日本地域開発センター理事長、東京大学教授

日 時 2009年6月12日(金)15時〜17時

会 場 霞が関コモンゲート ナレッジスクエア・スタジオ

 半年前に施行された「歴史まちづくり法」を活用した景観まちづくりの動向について、この法律と対をなす「景観法」と併せて、より良い景観づくりのあり方について事例を交えながら、お話しいただいた。

■内容

1.景観にまつわる近年の動き
〜略〜

2.景観法の特徴
景観法は「分権の申し子」の様な存在だ。建築法を守るだけではダメで、都市の権利を強化したものである。裁判や地域づくりのあり方も変化していくことになるだろう。余談であるが近江八幡は日本一早く計画を立てたが、その時の計画区域は水面だけだった。それだけ難しくもある。
その後、鹿児島、国立、京都での論争を経て、景観の考え方は、「まちなみ」だけではなく「A地点からB方面への眺め」を含む概念として変化している。

3.文化的景観
文化的景観は世界の動きに合わせて生まれた概念で、「由緒」がなければならない。動態保存されている棚田などが該当する。一方で、文化庁が、文化財候補の再公募を実施したところ、「最上川流域」が地域丸ごとで応募してきた。このように、文化的景観とは地域の歴史や産業の全てを網羅する複合的なものである。

4.歴史まちづくり法
この法律が1年でできあがったのは、景観法を作ったときの経験があったため。法律の内容は資金と規制緩和であり、古都保存法を全国展開する目論見がある。文化財である城の周囲に変なものが建たないようにしたいという意図も入っている。古都保存法との違いは、緑地だけでなく、都市部分を扱えることにある。


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