第439回 地域開発研究懇談会(2009年7月)

「地方空港の活用と地域の活性化について」


講 師 山内 弘隆 氏
     一橋大学大学院商学研究科教授

日 時 2009年7月14日(火)14時〜16

会 場 虎ノ門ビジネスセンター3階

 多くなりすぎたのではないかと批判されることも多い地方空港であるが、海外からの観光客を獲得するチャンスが増加するなど、地域メリットを引き出していくことは決して不可能なことではないだろう。
  今回は、将来の我が国の航空輸送の姿を踏まえつつ、今後の地方空港のあり方と、地方空港の活用による地域活性化の可能性についてお話をいただいた。

■内容

1.注目されるLCCについて
ハブ&スポークを前提とした特に大手航空業では、新型インフルエンザやテロなどによる乗客数の変動を吸収することが難しい。在庫を持てないサービス業ならではの弱みである。一方、サウスウェストに代表されるLCCは、バス会社の技術を飛行機に応用したスタイルで、ハブ&スポークを持たない特徴があり急成長を遂げた。

2.航空業界の最近の動向
国内線は、一人あたり単価が下降中である。北陸は新幹線が開通すると特に落ち込みが酷くなる見込みだ。国際線では中国との線の乗客が伸びている。

3.発着枠配分の動向
国際線では、深夜早朝に日本発着となる便の増強が議論されている。国内線では権益外便の枠の準備を進めている。

4.各空港の傾向
減価償却費を考慮して黒字の空港はわずか。福岡空港は民有地を含むため、特に収支が悪くなっている。ターミナルビルや駐車場の収支も含め、一体的に運営する必要がある。

5.空港をいかに使いこなすか
空港を中心とした地域づくりをすることは可能。観光ルートを、空港基点に構築することも考えられる。能登空港の搭乗率保証制度の様な試みも参考になる。


■音声ファイルについて
今回(第439回)は、音声ファイルのご用意はありません。