2009年10月号
通巻541号

特集 地域産業おこしと農産物「直売所」

 中山間地域の「自立」が注目を集めはじめている。経済発展モデルが輝きを失い、人びとが新たな価値に目覚めはじめたのではないか。「食」の「安心、安全」関連で「農」への関心も高まっている。また、市町村合併により広大な中山間地域を抱えた新市は市街地を焦点とする地域産業政策では如何ともし難い。中山間地域をどのようにしたらよいのか。
 そうしたなか、「農産物直売所」「農産物加工場」「農村レストラン」では農村婦人が「不思議な輝き」にあふれ、「未来」を語るのに出会うだろう。
 本号では、日本の農村、農業、あるいは日本社会そのものが変わっていく先駆的な取り組みと思われる直売所の現状や意義を、試論的な意味も含めて一つの特集として編んでおく。

マオイの丘公園直販所からみえる農業を基軸とした地域産業の展開―北海道長沼町
酒本 宏 (株)KITABA代表取締役社長
農協経営の本格的直売所の展開―岩手県花巻市の「母ちゃんハウスだぁすこ」
関 満博 一橋大学大学院商学研究科教授
「福祉」と「産業」が融合する、トータルケアのまちづくり―福島県西会津町
西村 裕子 一橋大学大学院商学研究科
農産物直売所、加工場、農村レストランの展開―栃木県鹿沼市の「そばの里 永野」
松永 桂子 島根県立大学総合政策学部准教授
大都市部における農産物直売所の展開
―都内初道の駅併設型農産物直売所「ファーム滝山」(八王子市)
立川 寛之 八王子市広聴広報室秘書担当
農家主導型直売所の先駆者として―富山県氷見市「おらっちゃの店」
西村 俊輔 
御食つ国の産地直売所―淡路市・赤い屋根
足利亮太郎 甲陽学院高等学校教諭
攻めの産直―高知県高知市鏡地区(旧鏡村)
畦地 和也 黒潮町役場
「博多じょうもんさん」ブランドの展開―福岡市
山藤竜太郎 横浜市立大学国際総合科学研究院准教授
◎<調査報告>
みやぎ寿司海道」の評価──寿司店・JR・県の協力による観光振興
丸岡 泰 石巻専修大学経営学部准教授
◎<連載>
ナマハゲさんはこう仰る・第8回――おらだの仲間っこ、秋田スギ、よろしぐな〜
山本 尚史 国際教養大学准教授
◎<新連載>できることちゃんとやってる? 日本の地域!
〜超戦略的都市国家シンガポールから見える、地域のポテンシャルと活路
第1回 アジアの中心はどこですか?
藻谷 浩介 (株)日本政策投資銀行国際統括部所属参事役
◎<地域振興の視点>
新政権の地域政策
大西 隆 『地域開発』編集長・東京大学
◎<新刊紹介>オリバー・W・ポーター著、東洋大学PPP研究センター訳、根本祐二・サム田渕 監修
自治体を民間が運営する都市―米国サンディ・スプリングスの衝撃
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根本 祐二
◎<書評>山本茂 著
『ニュータウン再生――住環境マネジメントの課題と展望
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菊池 浩史 大阪市立大学大学院

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