2013年1月号
通巻580号

特集 中心市街地活性化のこれから
――コンパクトシティの新たな目標

 2006年に改正されたいわゆる「まちづくり3法」に基づく、中心市街地活性化基本計画の計画期間5年が経過した自治体が増えてきた。旧法より現実的な提案が要請された、新法に基づく計画は果たして目標を達成できただろうか。今、各都市の中心市街地を歩いてみても、活性化の実感が得られないというのが正直なところではないだろうか。
 他方、中心市街地活性化を目指す理由は近年、むしろ増えてきていると感じられる。人口減少に伴う開発圧力の低下、高齢社会に対応したまちづくり、二酸化炭素排出の削減、省エネルギーの促進、さらには人々の脱自動車志向など、どれも市街地の集約・コンパクトシティの考え方と親和的だ。
 本特集号では、中心市街地活性化の現状と、コンパクトシティ実現の新たな方向性を探る。

特集にあたって
瀬田史彦 『地域開発』編集委員・東京大学
脱商店街の活性化――逆都市化時代の中心市街地論
大西 隆 東京大学教授、日本学術会議会長
中心市街地活性化政策の来し方行く末
川崎興太 福島大学共生システム理工学類准教授
低炭素社会と集約型都市構造
松橋啓介 独立行政法人国立環境研究所社会環境システム研究センター主任研究員
震災後の市街地集約の計画と課題――石巻市市街地部を事例として
姥浦道生 東北大学大学院工学研究科准教授
中活政策と中心商店街の展望
三橋重昭 認定NPO法人まちづくり協会理事長
コンパクトシティの実現に向けた中心市街地活性化

富山市都市整備部中心市街地活性化推進課

旧中活1号、地方小都市系
岩手県遠野市役所
コミュニティデザインによる地域再生の取り組み
羽田克広 延岡市商工観光部中心市街地活性化推進室室長補佐
中心市街地活性化施策の評価のまとめ
近藤早映 東京大学大学院工学系研究科
瀬田史彦 東京大学大学院工学系研究科准教授
◎<調査報告>都市縮小の空間計画とガバナンス(上)
ドイツにおける人口減少と都市改造政策
水原 渉 滋賀県立大学環境科学部教授

海道清信

名城大学都市情報学部教授
◎<コラム>
グローバリゼーションと都市・地域開発についての一考察(上)
吉嶋法生 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社投資銀行本部エグゼクティブディレクター
◎<コラム・連載>関西は「創造的再生」の先進地[3]
101年目を考えながら100年管理を目指すマンションから学ぶこと
菊池浩史

大阪市立大学大学院創造都市研究科修了生

◎<書評>高村学人 著
『コモンズからの都市再生
――地域共同管理と法の新たな役割
★内容のページへ

茂木愛一郎

慶應学術事業会代表

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