2013年3月号
通巻582号

特集 都心回帰

 東京では都心の人口増加が久しく続いてるが、人口減少の縮小都市だった大阪も20世紀末ごろから居住人口が増加に転じた。
 都心回帰、あるいは都心人口の増加は、欧米の、旧工業都市でも観察されるようになった。若年層が、工場や倉庫を住居に用途転換したロフトアパートに移り住むようになった。「賃貸世代」と呼ばれ、都心の人口増加を牽引している。
 一方、地方都市は依然、中心市街地で人口減少が止まっていない。本格的な人口減少・高齢化社会を迎え、今後、中心部の密度を高め、集約型都市構造を実現することが課題になる。

都心回帰――東京、大阪、地方都市、そして集約型都市圏構造の構築
矢作 弘 龍谷大学政策学部教授
リスケーリング戦略としての東京の都心回帰
齊籐麻人 立教大学社会学部兼任講師
2030年の東京 シニアシフトの街づくり
西尾茂紀 一般財団法人森記念財団都市整備研究所主席研究員
大阪都心への人口回帰――都心に進行する分譲マンション発生からの視点
新出嘉一郎 マンション・マーケットリサーチャー、株式会社シー・ブラッド
大都市周辺都市における人口変動と地域経済――兵庫県阪神南地域を事例に
田代洋久 大阪市立大学大学院創造都市研究科客員研究員、
兵庫県立大学政策科学研究所客員研究員
ニュータウンと都心回帰――兵庫県川西市の世帯移動に着目して
久保園洋一 大阪市立大学大学院創造都市研究科客員研究員
工業地域の維持と土地利用政策――東京都板橋区の事例から
梅村 仁 高知短期大学教授
欧米のポスト工業都市で都心人口の増加――甦るダウンタウンに若者が戻る
矢作 弘 龍谷大学政策学部教授
◎<調査報告>都市縮小の空間計画とガバナンス(下)
縮小する日本都市の課題と展望
海道清信 名城大学都市情報学部教授
伊藤伸一 財団法人国土技術研究センター
◎<研究部Report>
近年の東京への人口集中の実態に関する一考察
幾度 明 一般財団法人日本地域開発センター総括研究理事
◎<コラム>
グローバリゼーションと都市・地域開発についての一考察(下)
吉嶋法生 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社投資銀行本部エグゼクティブディレクター
◎<コラム・連載>関西は「創造的再生」の先進地[5]
「まちづくり」から「まちづかい」へ
――西横堀川での試み
河田 剛 とのま一級建築士事務所、今昔西横堀川と新しい町人のまちづくり実行委員会
◎<書評>フェリックス・ロハティン著、渡辺寿恵子訳
『勇気ある決断
――アメリカをつくったインフラ物語
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茂木愛一郎

慶應学術事業会代表

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