2013年12月号
通巻591号

特集 ビッグデータが描く我がまちの未来

 スマホ・防犯カメラの普及やクラウドコンピューティングの進化などにともなって最近、話題になってきている「ビッグデータ」。まちづくり・プランニングの分野においても、大量のデータを組み合わせて分析することによって、これまで到底検証不可能と思われたことが明らかにできたり、思いもよらないアイデアを生み出すことができるようになるかもしれない。
 夢のような技術を歓迎する声が高まる一方で、やや難解な定量分析の結果をうまく活用できるか、不安を持ち逡巡する人たちも少なくないだろう。しかし、時代の流れに取り残されないためには、自分でビッグデータを操ることはできなくても、ビッグデータで何が明らかにできて何は未だにできないのかを知ることが 極めて重要のようだ 。

特集にあたって
瀬田史彦 『地域開発』編集委員・東京大学
データは都市計画をどこへ連れていくのか?
羽藤英二 東京大学大学院 工学系研究科教授
津波防災まちづくりとビッグデータ
渡辺公次郎 徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部助教
ビッグデータ時代における防犯まちづくりの展望と提案
樋野公宏 独立行政法人建築研究所主任研究員、
筑波大学大学院システム情報工学研究科准教授(連携大学院)
マイクロジオデータを用いた都市センシング技術
秋山祐樹 東京大学地球観測データ統融合連携研究機構特任助教
賑わう中心市街地づくりのための処方箋
――データを活用した空間構成の計画・デザイン
高松誠治 スペースシンタックス・ジャパン株式会社代表取締役
3Dでまちづくりマネジメントを変える――継続と協調へのチャレンジ
長濱龍一郎 パナソニック株式会社環境計画支援VR推進グループ 担当部長
温泉街でのサービスとIT(情報技術)を融合させた地域活性化への新しい試み
高宮浩之・澤田浩二郎・水野伸昭 城崎このさき100年会議 ゆめぱプロジェクト
ソーシャルメディアのテキストマイニングから地域住民の選好を探る
佐藤 遼 東京大学大学院工学系研究科
マイナンバーで変わるまちづくり――安心でスマートなまちづくりを目指して
榎並利博 株式会社富士通総研経済研究所主席研究員
海外におけるビッグデータ活用例――地理情報学の観点から
小林哲郎 フロリダ州立大学地理学科助教
◎<特別寄稿>
モバイル空間統計:携帯電話ネットワークからの統計情報に基づく人口推計と地域開発への活用
鈴木俊博 株式会社ドコモ・インサイトマーケティングエリアマーケティング部
寺田雅之 株式会社NTTドコモ先進技術研究所
◎<連載・最終回>まちづくりの風景(6)
島民の島民による島民のための島
――愛媛県上島町弓削島
前田幸輔 株式会社日本経済研究所地域振興部副主任研究員
◎<連載>脱マスツーリズムの新潮流(4)
フードツーリズムの曙 食文化を伝える料理教室を
千葉千枝子 観光ジャーナリスト・横浜商科大学講師
◎<連載>
アジア最後のフロンティア ミャンマーの地域開発(4)――ヤンゴンの都市交通問題改善に向けて
森川真樹 国際協力機構(JICA)ミャンマー事務所
◎<書評>丸田頼一・島田正文 編著
『ランドスケープ計画・設計論』

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阿蘇裕矢 静岡文化芸術大学教授
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