2007年 7月号
通巻514号

特集 「むら」ブランドと地域おこし

 「平成の大合併」では、特に、「村」の減少が著しく、少し前は約570あったものが、約190に減少し、「村」が消滅してしまった県もある。
 残った「村」のいくつかを観察すると、自立できるだけの個性を備えている「村」か、あるいは周囲から受け入れられなかった「村」のどちらかのように見える。いずれも、今後、それなりの力を蓄えていかないと、自立の道も、合併の道も危ういものとなろう。今、まさに「村」が日本に残りうるかの分岐点に立っているのではないか。しかし、むしろ元気の良い村が残っているという印象である。
 本特集は、そうした「むら」を応援する意味もこめて、自立に向けてのいくつかの問題を議論していく。

特集にあたって
関 満博 『地域開発』編集委員・一橋大学
独自の農業でブランドになったむら――北海道中札内村
酒本 宏 (株)グランドデザイン代表取締役
「新住民」たちが求める“むら”の姿――脱・フルセット自治体経営(岩手県滝沢村)
及川 孝信 (株)MT&カンパニー代表取締役
檜原村のブランド化に向けた取組み 
牧瀬 稔 (財)地域開発研究所研究部研究員
はらむら物語り――長野県諏訪郡原村
大平 修司 諏訪東京理科大学経営情報学部助教
まるごと博物館の村――奈良県明日香村
足利 亮太郎 甲陽学院高等学校教諭
辺境の「村」のコミュニティ・ビジネス――岡山県新庄村の取組み
関 満博 一橋大学大学院商学研究科教授
離島隠岐における知夫村の独自の生き方 
吉山 治 島根県隠岐支庁県民局総務グループ課長
「土佐三原どぶろく」――濁酒で密かに「むら」をブランド化
坂本 世津夫 高知大学国際・地域連携センター教授(生涯学習部門長)
森のめぐみのブランド化――宮崎県諸塚村の取組み
山藤 竜太郎 日本学術振興会特別研究員
地域をブランド化するまちづくり戦略――「ヤチムン」ブランドの沖縄県読谷村の事例
崔 a寧 沖縄大学法経学部法経学科専任講師
◎<連載>四季のにいがた・第8回
NPOと株式会社のジョイント・ベンチャー――旧日本銀行新潟支店長役宅「砂丘館」の指定管理
寺尾 仁 新潟大学工学部准教授
◎<地域振興の視点> 
甦るかむつ小川原開発
大西 隆 『地域開発』編集長・東京大学
◎<書評>宮木康夫・宮木いっぺい共著
『いちから見直す公共的事業――適切な民営化と不適切な民営化の選別  ★内容のページへ
小澤 一郎 早稲田大学
◎<書評>増田壽男・今松英悦・小田清編
『なぜ巨大開発は破綻したか――苫小牧東部開発の検証  ★内容のページへ
瀬田 史彦 大阪市立大学
Library
地域開発文献紹介

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