2009年5月号
通巻536号

特集 地方都市の循環型社会への取組み

 2008年秋以降の世界的景気後退は、単なる循環的なものではなく、20世紀型の発展モデルの終焉を示す。私たち自身が新たな枠組みを作り、新たな可能性に向けて、新たな「価値」の創造に向けて挑戦的であることが求められているといえよう。経済的な豊かさを手にしても、国土や地域が疲弊し、人びとが「自立性」を失っていくならば、産業も企業もさほどの意味はない。私たち自身の手により、将来にわたっての「持続可能な地域社会」「自立的、循環的な地域社会」を作り上げることが問われている。こうした視点で地域を見ていくと、すでに「次世代型」「未来型」とも言うべき取り組みが重ねられていることに気づく。そのような良質な取り組みを通して地域の人びとの底力をみていく。

廃てんぷら油で路線バスが走る環境都市・帯広市
酒本 宏 (株)KITABA代表取締役社長
山形県長井市:レインボープランの現状と課題
関 満博 一橋大学大学院商学研究科教授
川崎エコタウン構想
小副川 忠明 一般財団法人横浜経済研究所
飯田市:天龍峡エコバレープロジェクト
山藤 竜太郎 横浜市立大学国際総合科学研究院准教授
岐阜県における資源循環型社会の形成に向けた様々な取組み
長崎 利幸 (有)アーバンクラフト代表
神戸市:子どもが主役のエコタウンまちづくり
松永 桂子 島根県立大学総合政策学部准教授
岡山県真庭市:バイオマスを核に広がる重層的ネットワーク
尾野 寛明 一橋大学大学院商学研究科
エコアイランド直島――「受け入れる島」で、住民が動き出す
西村 裕子 一橋大学大学院商学研究科
北九州市:公害の街から環境モデル都市へ
松永 裕己 北九州市立大学大学院マネジメント研究科准教授
◎<調査報告>
地域に適した多様な分散型バイオ燃料――もう一つの地産・地消の試み
吉川 博也 沖縄大学名誉教授
◎<調査報告>
南関東4都県の市区町村別にみた将来人口
――日本の市区町村別将来推計人口(2008年12月推計)の結果より
西岡 八郎・小池 司朗・山内 昌和・菅 桂太 国立社会保障・人口問題研究所
◎<調査報告>
婦人たちによる地場産品の加工――高知県香南市(旧吉川村)の「はま美人を育てる会」
関 満博 一橋大学大学院商学研究科教授
◎<事業報告>
「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エレクトリック2008」表彰式開催
財団法人日本地域開発センター
★内容のページへ (PDF 202KB)
◎<地域振興の視点>
新たな結――国土交通省地方振興課の問題提起
大西 隆 『地域開発』編集長・東京大学
◎<書評>岩崎芳太郎 著
『地方を殺すのは誰か ★内容のページへ
茂木 愛一郎 (株)慶應学術事業会

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