2010年9月号
通巻552号

特集 人材派遣は地域振興をもたらすか

 地域振興が公共事業から人材育成へとシフトしている。いや、これまでの地域振興の主戦投手であった公共事業、農業補助金、地方交付税という公的資金依存型振興策に資金的な限界が見えてきたので、より根本的に、地域を支える人材を育成し、地域の将来を託そうという試みが広がっている。人の育成には、その道の経験者、成功者から、ノウハウを受け継いでいくに如かずと、専門家を地域に派遣する事業がさまざまに展開されている。
  本特集では、こうした人材派遣型地域振興の展開、成果、課題を考える。

地域への人材還流論――人材派遣制度の成果と課題
大西 隆 東京大学大学院工学系研究科教授
観光地域プロデューサー事業の成果と課題
――「富士河口湖町観光まちづくりカレッジ」で意図したこと
花岡 利幸 観光地域プロデューサー、山梨大学名誉教授
専門家の長期派遣による内発型地域おこし
――「地域再生マネージャー事業」の取り組みから
荒井 弘正 (財)地域総合整備財団<ふるさと財団>地域再生部長
地域振興アドバイザー派遣事業の特徴、効果、課題
北川 泰三 (財)日本地域開発センター主任研究員
「県職員の市町村駐在制度」と「交流制度を活用した戦略的派遣」
若槻 眞二 島根県商工労働部産業振興課調整監
市町村現場への人材派遣:高知県の地域支援企画員「地域の元気応援団」
――制度の成果と課題
岡村 幸政 高知県産業振興推進部地域づくり支援課地域支援企画員(黒潮町担当)
米国メイン・ストリート・プログラムで活躍する専門職
矢作 弘 大阪市立大学大学院創造都市研究科教授
韓国における契約職公務員制度の現状と課題―韓国鎮安郡の事例を中心に
具 滋仁 韓国鎮安郡村づくり支援チーム長
◎<政府広報>
新成長戦略と地域活性化
黒田 昌義 内閣官房副長官秘書官兼内閣総務官室企画官(前内閣官房国家戦略室企画官)
◎<調査報告>
津和野町 日本初の集落営農の農事組合法人化──「おくがの村」の挑戦
関 満博 一橋大学大学院商学研究科教授
◎<事業報告>
「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エレクトリック2009」
・表彰制度について (財団法人日本地域開発センター)
受賞作品紹介

「ゼロエネルギーハウス」/「Eco Delight」/「粋(すい)シリーズ」/「NAGAMOCCHI-M」/
「『ゆるり』エコハウス」/「RONDINO 【輪舞曲】」 /「e.エコ シリーズ」 /
「外断熱の家 エネージュ」 /「大人気の家 SOLOR」

◎<連載>地域資源∞全国展開プロジェクト 第2回
燕商工会議所:ステンレス製リユース「ECOカップ」の開発
──世界に誇る技術屋集団がこだわりぬいたエコ商品
鈴木 眞人 日本商工会議所流通・地域振興部
◎<地域振興の視点>
周干峙先生、大林賞受賞。11月に東京・品川で式。
大西 隆 『地域開発』編集長・東京大学
◎<書評>日本政策投資銀行地域企画チーム編著
『実践! 地域再生の経営戦略(改訂版)――全国36のケースに学ぶ"地域経営"
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戸田 香 朝日放送
◎<書評>渡部薫 著
『都市の自己革新と文化――ひとつの都市再生論
★内容のページへ
矢作 弘 大阪市立大学

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